最強インデックス「S&P500」に採用される条件とは?

S&P500という言葉は,つみたてNISAを含め,投資をしている人は必ずと言っていいほど聞いたことあると思います.

投資初心者でも,「S&P500に投資しておけば間違いない!」といったことを見たり聞いたりしたのではないでょうか?

確かに,S&P500は最強クラスのインデックスです.

しかし,投資する以上は『なぜS&P500が最強なのか?』を知っておく必要がありますよね.

インデックスとは言え企業株の集まりなので,自分がどんな企業に投資しているかを知ることで,安心することができますし,もし中身が気に入らなければ他の対象に投資することができます.一番怖いのが,何も知らずに投資することだと思います.

そこで今回は,どんな企業がS&P500に採用されるのかを知ることで,S&P500に投資するということはそれらの基準を満たした企業に投資するということである,ということを明確にしましょう.

結論だけ知りたい人のために,S&P500の採用条件は以下の通りです.以降では「S&P500とは何か」から詳しく説明します.

S&P500の採用条件

  • 時価総額が61億ドル以上(規模)
  • 4四半期連続して黒字(財務健全性)
  • 浮動株比率が50%以上(株の流動性)
  • 時価総額に対する年間売買高が10%以上(流動性)

である米国企業

S&P500とは

S&P500とは,簡単に言うと『米国企業上位500社からなる株式インデックス』です.

S&P500は優良米国企業500社からなる株式インデックス

もっと簡単に言うと,優良な米国株だけを組み合わせた投資商品です.

「何が優良なのか」については,採用基準を満たしたものが優良なので,後で詳しく述べます.

たった500社?と思う人がいるかもしれませんが,上位500社で時価総額のほとんどを占めていますから,S&P500に投資することはほとんど米国全体に投資することを意味します.

S&P500の歴史

S&P500は,1957年に生まれたインデックスです.65歳くらいですね.

S&P500の推移を見ていると,長期的には右肩上がりであるとが分かります.

引用元:Google

2001年からのITバブル崩壊,2008年のリーマンショックから,きちんと復活しているという感じです.コロナショックからは,また特殊な復活の仕方をしましたね.

この長期的にみて右肩上がりでこれた理由は,「米国企業が全体的に見て成長したから」です.

S&P500の特徴

・組入れ銘柄の入れ替わりが激しい

・組入れ銘柄の割合は時価総額加重平均型

・セクターのバランスを考慮

S&P500は以降で説明する採用基準にの取ったインデックスなので,基準を満たさなくなった企業は容赦なくS&P500から除外され,もっと良い企業株が採用されます.つまり,良い企業のみが残るインデックスだからこそ,この長期的な伸びが見られたわけですね.

組入れ銘柄の入れ替わりが激しい

S&P500の特徴は組入れ銘柄の入れ替わりが激しいことです.

500社の組入れ銘柄のうち,ずっと入れ替えられずに生き残っている企業は約100社で,残りの400社は年々入れ替わっています.

ただし,米国企業全体が沈めばS&P500も沈むことに注意が必要です.S&P500に不安がある人は,S&P500はオワコン?よく分からないなら全世界株式一択ですをご覧ください.

割合は時価総額加重平均型

S&P500を構成する割合は,時価総額の大きいほど大きくなります.例えば,現在ではS&P500の割合上位銘柄として,Apple,Microsoft,Amazonなどが4~6%ずつを占めています.

特に最近はGAFAMやテスラのような成長株の時価総額が高かったので,S&P500の伸びもすごかったです(例えば,時価総額の大きい企業の株が安定(低成長)する場合は,S&P500のパフォーマンスも低くなります).

セクターのバランスを考慮

S&P500はセクター(IT,自動車,一般消費材など)のバランスを保つように設計されています.

つまり,以降で述べる採用基準を満たしていても,セクターバランスを考慮して採用されない銘柄もあるということです.

セクターのバランスはリスク分散になりますから,ありがたい性質だと思います.

S&P500の採用条件

S&P500の採用条件は以下の通りです.

実はS&P500の算出方法は完全に公開されているわけではなく厳密にいうともっと細かいですが,基準に関するいくつかの情報は公開されているので,そちらを見てみましょう.

これらは,S&P500にインデックス投資する人にとっては十分な内容だと思います.

S&P500の採用条件

  • 時価総額が61億ドル以上(規模)
  • 4四半期連続して黒字(財務健全性)
  • 浮動株比率が50%以上(株の流動性)
  • 時価総額に対する年間売買高が10%以上(株の流動性)

である米国企業

時価総額が61億ドル以上

S&P500の最低基準額として,時価総額(株価×発行株数)が61億ドルを超えていなければなりません.

ただし,この61億ドルという数字は随時見直され,割とコロコロと変わりますから,「時価総額が最低基準額より多くなければ採用されない」ということだけ抑えておけばOKです.

時価総額の相場が分からなら人のために説明すると,メルカリの時価総額が約80億ドルくらい(2021/2現在)なので,メルカリが仮に米国企業だったとしたら,この基準に関してはギリ満たしているという感じです.

ちなみに,Appleの時価総額は約2.2兆ドルです.余裕ですね.

4四半期連続して黒字

時価総額が高いだけでは,S&P500には採用されません.S&P500に採用されるには,4四半期(一年)連続して黒字である必要があります.

これは,財務がある程度健全である企業のみがS&P500銘柄となれることを意味しています.

米国株だと赤字なのに期待感から株価だけ上がっている企業とか結構あり,時価総額だけを見てしまうとリスクが高くなってしまいますから,そこを除外してくれるS&P500は安心感があります.

例えば,ユニティ・テクノロジーズ(U)は最近IPO(上場)後すぐに時価総額が上がり,現在(2021/2)には時価総額約350億ドルですから,時価総額の観点からはS&P500の採用基準を満たしています.一方で,ユニティはまだまだ赤字ですから,今のところS&P500には採用されることはありません.

浮動株比率が50%以上

S&P500に採用されるには,全上場株式のうち,浮動株の比率が50%である必要があります.

浮動株とは主に日々トレーダーによって売買される可能性が高い株式のことです.

反対に,浮動株でない株(固定株)とは大株主(企業の創業者・親会社・役員・金融機関など)が所持しており,売買されにくい状態にある株のことです.

浮動株が少ないと株式の流動性が低く,特定の個人によって大きな暴落や暴騰が起きやすいことを意味します.逆に浮動株か多いと,市場によって健全な取引がされやすい銘柄ということになります.

時価総額に対する年間売買高が10%以上

こちらも株の流動性の高さを担保する基準になります.

いくら浮動株が多くても,浮動株が取引されず全く変動がない銘柄には成長が期待できませんから,一定数の株は売買されるのが望ましいです.

S&P500では,時価総額に対する年間売買高が10%以上の銘柄しか採用されないことになっています.つまり,S&P500は守るだけでなく,成長の観点からも期待できる仕組みとなっているわけです.

S&P500に連動する投資信託・ETF

S&P500のインデックスに沿った投資をしたい人は多いかと思います.

S&P500に連動する投資信託やETFはたくさんありますが,そのうちいくつか(有名どころ)だけを紹介しておきます.

投資信託

・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

・SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

など

これらはつみたてNISAでも買うことができる優良商品ですが,購入できる商品は証券口座によって異なります.

ETF

・バンガード・S&P500 ETF(VOO)

・SPDR S&P500 ETF(SPY)

など

他にも,S&P500の中でもバリュー株に注目したSPDR Portfolio S&P 500 Value ETF(SPYV)など色々あります.