初心者にIPO銘柄での投資をおすすめできない理由

3月 6, 2021

個別株を始めると,『IPO』という言葉を聞く機会が増えるしれません.

IPO投資は魅力的な面もありますが,個人的には初心者にはおすすめな投資方法ではないかな,と考えているので,その理由について述べます.

私もIPO銘柄で何度か失敗しているので…

IPOと言っても私は米国企業の株しか買ったことないので,日本でのIPO銘柄については触れません.

IPOとは

まずはIPOとは何かについて説明します.

IPOとは

IPOとは,Initial Public Offeringの略で,日本語で言うと「新規公開株」や「新規上場株式」です.

その名前の通り,企業が株式を投資家に買ってもらえるよう証券取引所に上場することをIPOと言います.

事業を大きくしたいなどの理由で膨大な資金が必要な企業は,株式を発行して市場に買ってもらうことで資金調達をします.

上場した企業は,最初はどこもIPOしたということになります.

IPOする株は,その出だし(IPO時)は抽選で選ばれたひとしか株を買うことができません.良い銘柄はIPO後に株価が急騰しますから,IPO投資では運が必要ということになります.

最近のIPO銘柄の例

ユニティ・テクノロジーズ(U)

引用元:Google

ユニティは,ゲームエンジンunityやそれによって開発されたゲーム関連のビジネスを行っている会社です.2020年の9月にIPOしました.

ユニティは市場からかなり期待されており,株価は70ドルあたりから2~3か月かけて2倍以上になりました.IPO銘柄としては,かなり大型の株ですね.

私もユニティの将来性には期待していますが,とある理由でいったん売りました.

グッド・アールエックス(GDRX)

引用元:Google

グッド・アールエックスは各薬局の薬の価格比較アプリケーションを提供する会社です.

IPO時から黒字化しており,そのビジネスモデルからかなり期待されていましたが,Amazonがインターネット薬局みたいなビジネスを始めるという発表をしたことで,11月中旬に大幅に下落しました.

その後,Amazonのビジネスとは競合にならないと見直され,株価は再び約55ドルまで上昇しました.

パランティア(PLTR )

引用元:Google

パランティアは,データ分析を行う会社です.アメリカ国家から仕事を受注していたりします.

パランティアにも,長期的な目線で期待しており,私も所持している銘柄です.

IPO投資の魅力

IPO銘柄による投資のデメリットについて述べる前に,少しだけIPOの良いところを紹介しておきます.

特に最近のIPO直後では,株価は上がることが多いです.それはそうですよね,企業は株を買ってもらうために上場するわけですから.

かなり期待されている企業がIPOする場合は,株価がグンと上がることが多いので,上がった後に売り抜けることで儲けを出すことができます.

どれだけ上がるかは分かりませんが,抽選に当たりさえすれば高い確率で利益を出すことができるでしょう.

IPO時に人気株を買う権利を得ることができれば,かなりラッキーですよね.

初心者にIPO投資をおすすめできない理由

IPO銘柄で利益を出すことは,初心者にはおすすめできません.

IPO投資とは,本来は先ほど説明した「抽選で得た株を初値で売って利益を出すこと」を言うのだと思いますが,ここでは抽選の有無に関わらず,IPOしたばかりの銘柄で利益をだすことをIPO投資と呼ぶことにします

IPO株を買う権利を得た人が初値で売って利益を出すことは,全く否定しません.せっかく当たったのなら,活かしてもいいと思います.私は抽選にチャレンジしたことすらありませんから…

それでは,なぜIPO投資が初心者向きではないのか,説明していきます.

初心者におすすめできない主な理由は以下の3つです

・データが少ない

・株価は期待だけで上がる

・ロックアップ解除

データが少ない

最近IPOしたということは,公開された業績データ(損益計算書,貸借対照表,キャッシュフローなど)やニュースが上場企業よりも少ないです.

IPOでも企業のホームページやIPO時の目論見書に業績が公開されており,調べられるケースの方が多いとはいえ,やはり上場企業よりは調べるのに苦労すると思います.

また,上場前よりも上場後の方が注目されるのが普通なので,IPO銘柄に関しては過去のニュース記事や分析記事が少ないです.

ということは,少ない情報から「その企業はどういった企業か?」を見極めなければいけません

初心者は特に,その企業のことは何もわからず投資することになってしまうかも知れません.そうなると,健全な投資からは遠ざかってしまいますよね.

株価は期待だけで上がる

IPOしたばかりの企業は赤字であることが多いです.それでも株価が上がる理由は,その企業のビジネスモデルが良く,将来的に利益をもたらしてくれると投資家が考えるからです.

つまり,IPOしたばかりの銘柄の株価は実績というよりも,ビジネスに対する期待だけで上昇します.

したがって,IPO銘柄に投資するには,そのビジネスが良いものかを見極める力が必要になるわけです.

投資初心者にとってはかなり難しく,何となくで投資し,いつか来る暴落で損をしてしまうことは少なくありません.

また,IPO銘柄は期待だけで株価が変動するため,値動きが激しいです.IPO後の決算が良ければ大きく上昇し,期待外れの決算だったり不祥事がニュースになれば,すぐに暴落します.

ロックアップ解除

IPOには,銘柄によっては「ロックアップ」というものがあります(ロックアップがない銘柄もあります).

ロックアップとは,IPO前から株を保有している大株主がIPO後にすぐに株を売却してしまうと大きく株価が値下がりしてしまうので,IPO後の一定期間,その大株主は株を売却することができないように契約することです.一般的に,ロックアップの期間は半年間(180日)とされています.

ロックアップ:IPO後の一定期間,上場前からの大株主は株を売却することができないように契約する

では,このロックアップのどこが投資初心者にとって難しいのでしょうか?ロックアップ期間は大株主は株を売却ができず,その分暴落が起きにくくなるのでむしろ初心者には易しそうです.

しかし,裏を返せばロックアップ解除となった途端に暴落は全然あり得るということになります.IPO後の株価上昇を待ち,ロックアップ解除を待ち構えていた大株主が売り抜けし,株価が暴落するかもしれません.

ロックアップを契約していた大株主が売却をしなくても,市場はロックアップ解除につれて警戒し,結果的に暴落する可能性もあるでしょう.

ロックアップ解除が近づくとこういった読み合いをすることになってしまうので株価は安定せず,初心者には難しい相場となってしまいます.

実際,上で紹介したパランティアの2021年2月中旬のロックアップ解除に向けて,株価は下落しています(決算が悪かったこともあるかもしれませんが)し,ユニティやグッド・アールエックスに関しても同様です.

IPO後,いつから買えばいいのか

これはあくまで私個人の意見であり,もちろんいつ株を買っても自由ですが,

個人的には,IPOの半年後(ロックアップ解除後)から株を買った方が,リスクはかなり減ると思います.

上で述べてきた理由で,ロックアップが解除されるまでは株価は安定しません.適切な株価に落ち着くのは,それ以降でしょう.