つみたてNISAなどで投資信託を買ったうえで,さらに投資したいという方で,
「つみたてNISAの非課税枠がなかったとしても投資信託は優良商品だし,また投資信託を買い足そうかな」
と考えているひとは多いです.実際,私もそうでした.
しかし,この記事でお伝えしたいことは,これです.
結論
つみたてNISAやNISA,iDeCoの非課税枠で投資信託を買って,まだ投資したいならETFもおすすめ
理由
商品内容が同じでも,ETFの方が管理費用が安いから
ただし,ETFよりも投資信託の方が良い面もあるので,記事の最後に解説します.
投資信託を引き続き購入するのも良い手段だと思いますから,この時期を読んで好みの方を選択してください.

経費やリターンの計算ができるならETF,
大雑把に放置投資がしたいひとは投資信託がおすすめです
まずはNISAやiDeCoで投資信託
ご存じの通り,つみたてNISAやNISAでは利益に対して非課税で運用できます.また,iDeCoでは利益が非課税になる他,税金控除を受けることができます.
これらの制度は非常にお得なので,投資をするなら利用しない理由はあまりありません.
つみたてNISAやiDeCoで購入できるのは比較的優良な投資信託です.投資を始めてみようかな~というひとは,ぜひ使ってみてほしい制度です.
例えばつみたてNISAでは月3万3,333円まで利益に対して非課税で運用できます.また,楽天カードで投資信託を積立てすれば月5万円までは1%のポイントが付きます(2021/2)から,月5万円までは投資信託を購入しているひとは多いと思います.
何はともあれ,まずは月3万3,333円~5万円を,非課税制度で運用しましょう.
そして,投資に慣れてくると,月5万円以上投資したいと考えるときも来ると思います.
そうなったときに,引き続き投資信託を買い足せばよいのか,それとも別の形で投資すればよいのか迷うかもしれません.
その場合,個人的にはETFがおすすめだと思うので,その理由を述べます.
次の投資はETFもおすすめな理由
ETFのおすすめポイントは,「管理費用の安さ」です.
また,投資信託ではなくETFでもいい理由は「結局,同じような内容の商品を買うひとが多い」からです.
・管理費用の低さ
・投資信託でもETFでも内容が同じものを買うひとが多い
管理費用(経費率)の安さ
ETFは上場投資信託のことですから,投資信託と同様,信託報酬などの毎年の管理費用がかかります.管理費用は簡単にいうと,銘柄を組み合わせてもらったり,運用してもらうための手数料のことです.
ETFの信託報酬を含めた管理費用は,投資信託よりも安い場合が多いです.その理由は,ETFでは投資信託と違って販売会社を介さないからです.
例えば,バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VT)というETFの管理費用は0.03%で,楽天・全世界株式インデックス・ファンドという投資信託の管理費用は0.212%です(2021/2現在).
「どっちも低いじゃん!」と思った人もいるかと思いますが,0.18%の差というのは長期投資において結構効いてくる数字だと思います.特に,複利の効果で資産を増やそうとしているひとには.
投資信託やインデックス連動型ETFを購入するひとの多くは長期投資を前提としているので,管理費用にはシビアになるべきです.
投資家は年リターンを1%上げるために必死になっているくらいですから,0.18%というのも無視できない数字だと思います.
したがって,年間にかかる管理費用としては,ETFの方が有利です.
よく購入されている投資信託と同じ内容のETFもある
「よく購入されている投資信託と同じ内容のETFもあるから,管理費用が安いETFでいいじゃん!」というのが主張です.
例えば,楽天・全世界株式インデックス・ファンドやeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のような全世界株式系の大人気な投資信託はVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)というETFと内容は同じです.どちらも,全世界に投資するインデックスに連動しています.
また,同じく大人気な,楽天・全米株式インデックス・ファンドやeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のような全米株式系の投資信託はVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)やVOO(バンガード・S&P500 ETF)というETFと内容は同じです.どちらも,全米に投資するインデックスもしくはS&P500に連動しています.

つまり,「投資信託でもETFでもどうせ全米か全世界に投資するでしょ?」という話です.
もちろん,投資信託でしか買えない商品や,ETFでしか買えない商品もあります.
ETFのデメリット
投資信託と比べてETFが劣る部分もあるので,紹介します.
正確なドルコスト平均法ができない
一般的にはETFは株式と同じ売買システムであるため,投資信託では可能な,同じ額を定期的に積み立てる『ドルコスト平均法』で投資することができません.
ドルコスト平均法は初心者にとって心強い投資法で,長期的にドルコスト平均法で時間分散投資することでリスクを減らすことができます.
これができないというのは,初心者にとって少し投資が難しくなります.
もちろん,ETFでも「疑似的に」ドルコスト平均法に近い形で投資することはできます.
例えば,安い株価のETFで調整して毎月同じ額を積立てることでドルコスト平均法に近い投資になります.
しかし,これは良いETFだけを買う足かせになります.株価は変動しますから,同じETFに同じ額だけ投資するのはかなり難しいからです.しかも長期的に上がるETFに投資するわけですから,株価が上がるほど調整して同じ額を積立てるのは困難になります.
買い付け手数料がかかる
先ほど管理費用は投資信託よりもETFの方が安いと述べましたが,ETFは「上場」投資信託なので買い付け手数料はかかります.
例えば,楽天証券ではETFの買い付けに0.495%がかかります.先ほど述べたように,0.495%はすごく大きいですよね.
そのため,商品や投資額,投資額によっては,ETFよりも投資信託の方が有利になります.
ただし,買い付け手数料は買ったときにだけかかり,毎年かかるわけではありません.例えば毎年かかる管理費用(信託報酬を含む)がETFの方が投資信託より0.18%安いとすると,約3年で買い付け手数料の元が取れることになります(リターンにもよりますが).
頻繁に買ったり売ったりする場合は,ETFは高くつく可能性があります.反対に,長期で運用すること前提ならETFの方が良くなる場合が多いです.
配当金の扱いを考える必要がある
ETFによっては,配当金が出ます.
投資信託なら分配金を再投資で設定しておけばよかったですが,ETFの配当金は再投資するにしても一度受けとることになります.
配当金を受け取ってまたそのETFを買うと,買い付け手数料がかかりますから,投資信託よりも取り分は少し少なくなります.
投資信託で分配金を受け取る派のひとは,ETFでも配当金を再投資せず,他に使ったり貯金するかもしれませんが,その場合にも「その配当金を考慮すると全体としてどれくらいのリターンになっているか?」を考慮して投資信託と比較する必要があります.
初心者にとっては,投資信託よりも少し難易度が上がりますね.
まとめ
・経費(管理費用,信託報酬)やリターンの計算ができ,長期で運用するならETFがおすすめ
・複雑な計算が嫌で,大雑把に放置投資がしたいひとは投資信託がおすすめ
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