テクニカル分析で重要な指標「MACD」とは?売買タイミングやトレンド予測の参考にできる

4月 11, 2021

今回は,テクニカル分析手法「MACD」について解説します.

MACDは単純な移動平均線やボリンジャーバンドなどと比べて少し分かりずらいテクニカル分析手法ですが,有名なテクニカル分析投資家も頻繁に使う手法で,数あるテクニカル手法の中でも比較的精度が高いと言われているので抑えておきましょう.

MACDの理解には移動平均線の理解が必要なので,こちらを参考に移動平均線についても学びましょう

MACDの概要

MACD(Moving Average Convergence Divergence,移動平均収束拡散)は2つの移動平均線からなるテクニカル分析手法です.

一方で,チャートとしてのMACDはこのうち一つの移動平均線のことを指します.ただし,MACDには単純移動平均線(SMA)ではなく,最近の価格に強く影響する指数平滑移動平均線(EMA)を用います.MACDは短期のEMAと長期のEMAの差なので,2つのEMAを計算する必要があります(後述).

また,もう一つの移動平均線としてはMACDのSMAを用います.SMA(単純移動平均線)についての解説はこちらを参考にしてください(ただし,SMAではなくこちらもEMAを用いる場合があります).

主に,MACDそのSMA(単純移動平均線)が交差する点が売り買いの判断に使われます.

まとめると,MACD(EMA)とそのSMAの2つからなるチャートを利用して分析する手法をMACDといいます(ややこしいですよね).

MACDとは

MACD(EMA)とそのSMAの2つからなるチャートを利用して分析する手法

MACDに使う移動平均線

MACDは短期EMA – 長期EMAです.つまり,MACDを構成するには2本のEMAが必要です.

EMA(指数平滑移動平均線)とは,直近の価格に比重をかけて算出する移動平均線です.SMA(単純移動平均線)に比べ直近の動きに敏感に反応します.

EMA(MACD)の計算方法

EMAの計算式を正確に理解するにはSMAの理解が必要なので,SMAを知らない場合は【投資の基本】移動平均線とは?ゴールデンクロスとデッドクロスで売買をご覧ください.

EMAは,以下の手順で計算されます.

MACDの計算

一日目:単純移動平均と同様に,対象期間における終値の平均

二日目以降:前日の指数平滑平均+k×(当日終値-前日の指数平滑平均)

(平滑定数)2÷(n+1) ただし,nは何日EMAか

例として,以下のように価格が推移する株価の3日間EMAを計算しましょう.計算の説明は表の下に書いてあります.また,参考のためにSMAも並記してあります.

(日)123456
価格(円)100010201030101010201090
EMA10171020.51020.81055.4
SMA1017102010201040

EMAの1日目

SMAと同じなので,

(1000+1020+1030)÷3≒1017

です.

EMAの2日目

3日間EMAを計算するので,平滑定数はk=2÷(3+1)=0.5です.したがって,

1017+0.5×(1010-1017)≒1020.5

となります.

EMAの3日目

1020.5+0.5×(1020-1020.5)=1020.75

です.

EMAの4日目

1020.75+0.5×(1090-1020.75)=1055.375

です.

今回は例のために3日EMAを用いましたが,MACDの算出に使用するEMAの期間は一般的に,短期EMAには9日もしくは12日,長期EMAには26日を使用します.

つまり,MACD=短期EMA(9日or12日)-長期EMA(26日)です.

計算式から分かるように,MACDは0付近を上下する値を取ります.

MACDのSMA

テクニカル分析手法としてのMACDにはMACD(EMA)をさらに単純移動平均したSMAも用います.先ほど計算したEMAをさらに単純移動平均して計算してください(先ほどの表のSMAとは違うのものなので注意してください).

このSMAは,シグナルと呼ぶことがあります.また,このSMAの期間は9日を使用することが多いです.

これで,MACDとそのSMA,2つが用意出来ました(ここまでで,短期EMAと長期EMA,SMAの合計3本の移動平均線を計算していることに注意してください).

MACDの見方

MACDの主な使い方として,

売買タイミングの参考にする

トレンド予測の参考にする

ことが挙げられます.

売買タイミングの参考にする

MACDとシグナル(MACDのSMA)が交差するところを売り買いのサインとして参考にする方法が一般的に使われます.

MACDがシグナルを上に追い越す点をゴールデンクロスと呼び,買い注文を入れるタイミングとして扱われます.

このような見方をする理由としては,MACDがその移動平均線であるシグナルを追い越すということは,中期のトレンドの中で株価は上昇局面に変わると考えられるからです.

お気づきの方もいるかもしれませんが,この考え方は【投資の基本】移動平均線とは?ゴールデンクロスとデッドクロスで売買で解説した売り買いタイミング手法と同じで,短期移動平均線に単純移動平均ではなく指数平滑移動平均線を利用したパワーアップバージョンだと言えます.

トレンド予測の参考にする

MACDはトレンド予測の参考にもできることが知られています.

MACDとシグナルが0のラインを超えたときには,上昇トレンドが継続される可能性が高いです.

反対に,MACDとシグナルが0のラインを下回ったときには,下降トレンドが継続される可能性が高いです.

このことから,MACDとシグナルが0のラインを超えたら買い注文,下回ったら売り注文を入れることで順張りができると考えられています.

当然,MACDだけで株価を完全に言い当てることはできないので一つの参考に留めることが大切ですね

PythonでMACDを計算したいひとは,以下の記事を参考にしてみてください.