
では,今回は高配当株ETFについて紹介しましょう
高配当株ETFの魅力
高配当株の魅力は,なんといっても安定性です.配当金があるため,定期的な収益は見込めます.
一方で,高配当株では「配当が高いとキャピタルゲイン(株価の成長性)が小さい」というトレードオフな面がある場合は多いです.
なので,配当金とキャピタルゲインを合わせてリターンが高くなる銘柄を選ぶべきでしょう.
その点,高配当株の中でも安定かつそれなりのキャピタルゲインを望める銘柄を集めたような高配当株ETFは,初心者にとって安心感があります.
今回は,そんな高配当株ETFを紹介します.

今回紹介するのは,私も長年愛用しているETFです
※本ページのデータは執筆時のときのものです.構成銘柄など,現在のデータと異なる場合がありますのでご了承ください.
米国株式高配当ETFランキング
ランキングは筆者の個人的な意見に基づいたものです.
第1位:VYM
Vanguard High Dividend Yield ETF(バンガード・米国高配当株式ETF )
資産総額:380 億USD
設定日:2006年
構成銘柄:約407
分配利回り:2.86 %

組入れ上位銘柄
銘柄 | 割合(%) |
---|---|
JPモルガン(JPM) | 3.56 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 3.37 |
ホームデポ(HD) | 2.59 |
P&G(PG) | 2.56 |
バンク・オブ・アメリカ(BAC) | 2.33 |
コムキャスト(CMCSA) | 2.05 |
ファイザー(PFE) | 1.90 |
シスコシステムズ(CSCO) | 1.84 |
エクソンモービル(XOM) | 1.71 |
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ) | 1.69 |
ポイント
・平均以上の配当を出す普通株で構成される
・セクターのバランスが良い
・構成銘柄が多く,分散が効いている
言わずと知れたバンガード社の商品です.高配当ETFとしては,一番有名なのではないでしょうか.
JPモルガンやバンクオブアメリカなどの金融銘柄,ジョンソンエンドジョンソンやファイザーのような医薬品銘柄,P&Gの日用品,ホームデポの住宅,シスコシステムズのようなコンピュータネットワーク,ベライゾンやコムキャストなどの通信銘柄など,色々なセクターがバランスよく入っています.
構成銘柄は約400と,銘柄数の観点からも十分に分散が効いています.
資産総額も分散投資も文句なしの王道な高配当ETFです.
第2位:VIG
Vanguard Dividend Appreciation Index Fund ETF(バンガード・米国増配株式ETF)
資産総額: 653 億USD
設定日:2006年
構成銘柄:約246
分配利回り:1.77 %

組入れ上位銘柄
銘柄 | 割合(%) |
---|---|
マイクロソフト(MSFT) | 4.46 |
JPモルガン(JPM) | 3.73 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 3.69 |
ウォルマート(WMT) | 3.40 |
ユナイテッドヘルス・グループ(UNH) | 3.20 |
ビザ(V) | 3.01 |
ホームデポ(HD) | 2.85 |
P&G(PG) | 2.84 |
コムキャスト(CMCSA) | 2.25 |
オラクル(ORCL) | 2.13 |
ポイント
・過去10年間連続増配の米国の中型・大型株がメイン
・安定的な成長銘柄の割合が多く,配当金と成長性のバランスが良い
・株価が他のETFより高い
マイクロソフトやウォルマート,オラクルなど,新しい会社ではないですが新しい技術に積極的な成長が見込める企業も多く含んでいます.
VYMよりも設定日が古く,資産総額も多いため,信頼できる商品だと思います.
ただし,配当利回りは1.8 %と,配当系のETFの割には高くありません(厳密には高配当株ETFではなく増配当株ETFなので).その分,株価自体の上がりは高いです.
高配当株ETFではなく増配している株をコンセプトにしたETFなので,これから配当金が高くなり,株価の上がり方は小さくなっていく感じだと期待できます.株価はVYMなどと比べると若干高いので,少し手が出しづらいかもしれませんね.
第3位:HDV
iShares Core High Dividend ETF(iシェアーズ コア米国高配当株 ETF)
資産総額: 72 億USD
設定日:2011年
構成銘柄:約75
分配利回り:3.39 %

組入れ上位銘柄
銘柄 | 割合(%) |
---|---|
エクソンモービル(XOM) | 8.36 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 7.08 |
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ) | 6.31 |
シェブロン(CVX) | 5.95 |
P&G(PG) | 5.83 |
フィリップ・モリス・インターナショナル(PM) | 5.06 |
シスコシステムズ(CSCO) | 4.22 |
コカ・コーラ(KO) | 4.14 |
ブロードコム(AVGO) | 4.09 |
メルク(MRK) | 4.07 |
ポイント
・消費財,生活必需品,エネルギー,石油・ガス,電気通信セクターが主
・構成銘柄が75と少なめ
・配当利回りは高め
消費財,生活必需品,エネルギー,石油・ガス,電気通信セクターが大部分を占めるETFです.
組入れ上位銘柄にはエクソンモービル,ジョンソン・エンド・ジョンソン,ベライゾン,シェブロン,P&G,コカ・コーラなど,高配当株の有名どころが入っています.
一方で,構成銘柄数は75と他のETFに比べると若干少なく,セクターも絞っているので分散投資の観点では少し不安定な気がします.
と言いつつも,設定日以来,他のETFと遜色ない株価安定性を維持しています.HDVは年4回の銘柄入れ替えが行われることも安定性の理由の一つでしょう(他のETFより少し頻繁なサイクルです).
VYMやVIGよりも配当利回りが高く,ETFとしてこれだけ高い配当であることは優秀なので,配当を特に重視しているひとにHDVはおすすめです.
第4位:SPYD
SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF)
資産総額: 47 億USD
設定日:2015年
構成銘柄:約80
分配利回り:3.95 %

組入れ上位銘柄
銘柄 | 割合(%) |
---|---|
ベーカー・ヒューズ(BKR) | 1.48 |
コメリカ(CMA) | 1.38 |
マラソン・ペトロリアム(MPC) | 1.37 |
キーコープ(KEY) | 1.36 |
ハンチントン・バンクシェアーズ(HBAN) | 1.35 |
エンタジー(ETR) | 1.35 |
エクセロン(EXC) | 1.34 |
メットライフ(MET) | 1.34 |
フランクリン・リソーシズ(BEN) | 1.33 |
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA) | 1.33 |
ポイント
・S&P500の中から,配当利回りが高い80銘柄で構成
・比較的新しいETF
・組入れ上位銘柄は他の高配当株ETFとは異色
S&P500の中から高配当銘柄を選んでいるので,組入れ銘柄は良いと思います.
ただし,設立日が2015年と比較的若いETFで,まだ資産総額も他のETFに比べると少なめです.また,SPYDはコロナショックからの復活が他の高配当株ETFに比べて遅かったETFでもあります.
組入れ銘柄は見ての通り,他の高配当株と被っている銘柄が少なめで,銘柄数も80と若干少なめです.
そういう意味では,他の高配当株ETFとのバランスを取るためによいETFと言えるかもしれません.
まとめ

私は今回紹介したETFはずっと所持しています.
高配当株選びに迷ったら個別株ではなくETFを検討するのもひとつの手だと思います.
また,米国株ETFとしは,VTIやVOOの方が幅広い分散投資をすることができます.
まだETFに投資したことがないという人は,こちらのETFを検討してみると良いかもしれません.
詳しくは以下をご覧ください.
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