つみたてNISAは全米株式か全世界株式どっちがおすすめ?

2月 17, 2021

最近,つみたてNISAで投資を始めた人は多いですね.私もそのひとりです.

つみたてNISAで買える商品は比較的な優良な物に限られているとはいえ,170個くらいの選択肢があります(購入できる商品は,証券口座によって若干異なります).

そこで,多くのひとはランキングから選んだり,周りの投資に詳しい人に聞いたり,自分で調べたりすると思います.

そうすると,自然に「全米株式」「全世界株式」のインデックスファンドが候補に上がってくると思います.

私自身,この2つは超優良商品だと考えていますし,実際に私も買っています.つみたてNISAでこれを買っていない人はかなり小数派だと思います.

しかし,「どっちも良いよ」と言われると,「どっちをどれだけ買えばいいの」となってしまいますよね.

私自身,はじめの頃は迷いながらやっていたので,積立設定をコロコロと変えていました.というか正直,今でもどちらが良いのかについては,分かりません.

というのも,個人の投資目的によって投資スタイルは異なるものですし,そもそも20年後とかの株価を予想できるひとはいません….つみたてNISAは長期運用目的で使う人が多いですから,なおさらです.

そこで今回は,「全米株式」と「全世界株式」を分析し,購入時の考え方について述べたいと思います.答えはありませんから,この記事を読んだうえで,結論は自分で出してください

ちなみに,私はどちらかというと全世界株式を推しています.私のつみたてNISAでは全米株式に対して全世界株式を2倍ほど投資しています.

各ファンドの概要

準備のために,全米株式と全世界株式の概要について簡単に述べておきます.

全米株式

全米株式ファンドとして,楽天・全米株式インデックス・ファンドを例に見てみます.

最もつみたてNISAで購入されているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)というものもありますが,ほぼ同じものです.

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はアメリカの上位500社(S&P500),楽天・全米株式インデックス・ファンドはそれ以外の米国企業にも投資しているという違いがありますが,上位500社以外の規模は小さいのでほぼ同じというわけです.

ほぼ同じなので,全米株式の中身としてeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の組入上位銘柄を見てみましょう.

引用元:楽天証券eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)目論見書(20200727)

時価総額加重平均型の株価指数なので,全米株式の組み入れ上位銘柄はマイクロソフト,アップル,アマゾン,フェイスブック,グーグル(アルファベット)などのいわゆる「GAFAM」となっています.

つまり,2021年現在では「全米株式はGAFAMの割合が多い」です.

全世界株式

次に,全世界株式の中身を見てみましょう.

引用元:楽天証券eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)目論見書(20200727)

全世界株式は,アメリカのインデックスや日本のインデックスなどを組み合わせたファンドです.

中身の50%~60%は米国株となっています.つまり,全世界と言いながらも,その半分は全米株式と同じであるということです.

ここが,全米株式と全世界株式の購入を迷わせるポイントだと思います.国を分散したい人が全世界株式を買うわけですが,全世界株式を買っても結局はほとんど米国株を買っていることになり,完全な分散にはならないからです.

また,全米株式に比べて少しだけ信託報酬が高い傾向にあります(証券口座によって異なります).おそらく,分散させて運用するのに手間がかかるからですね.

両者のスタンス

2つの具体的な分析に入る前に,まずは全米株式を好む人達と全世界株式を好む人達の双方の意見を述べましょう.

全米株式を好む人達の意見

・ここ20年以上,米国株式が世界の大半を占めており,成績もどの国よりも良い.

・よって,わざわざ成績の悪い国の株が入っている全世界株式を買う必要はない.

・米国株が悪かった時期もあるが,長期的にみれば米国株一強の時代が長い.今後も米国が強いだろう.

全世界株式を好む人達の意見

・最近30年は米国株が強かったが,今後どうなるかは分からない.

・過去には米国株の調子が悪かったことを考えると,今後も米国株一強が続くとは限らない.

・世界は全体的に成長しているのだから,全世界株式に投資するのが合理的.

うーん,なるほど.

両社とも今までは米国株が強かった歴史が長かったことは認めていますが,今後も米国株に積極的なのか,それとも保守的なのかの違いですね.

それでは,もう少し具体的にデータから分析してみましょう.

過去のデータから比較

今までの世界の株式の動向を見るのに一番分かりやすい図は以下のものだと思います.

1899年から2017年まで,どの国の株の時価総額がどれだけの割合だったかを意味します.

画像②クレディスイスPDF8ページ目 世界の株式推移(1989-2017)
引用元:Credit Suisse Global Investment Returns Yearbook 2018

これを見ると,最近では米国株が世界の50%近くを占めており,米国株の一強であるという強気派の人もいておかしくありません.実際,企業の時価総額ランキングを見てみると,上位はほとんど米国企業(特にGAFAMなどのIT企業)です.

一方で,米国株もずっと強かったわけではないこともわかります.

例えば,1990年近くでは,高度経済成長とバブル経済によって,日本株が世界の約30%ほどを占めており,米国株よりも時価総額が高かった時代があったことも分かります.今では信じられませんが,この時代には時価総額ランキングの上位はほとんど日本企業でした.

また,今から120年前の1900年には,世界の株式はかなり分散されており,一番多かったのはイギリスの約25%だっとことも分かります.

…と思えば,やはり青色の部分が多い時期が長く,米国が強かった時代が長いという主張も正しいです.

この図を見た人は,米国強気派になるひとが多い気がします.それほど,「米国強い…」という印象を与える図でもあるからです.

しかし,よく考えてほしいのですが,「大事なのは自分の資産(例えば,つみたてNISAで購入したインデックスファンド)を現金にするときに,どの国の株がもっとも好調か?だと思います.

たとえ,この先100年,200年の長期で見て米国株が強い時期が多いとしても,自分がお金を使うときに米国株が負けていては意味がありません.

自分が資産を現金にするときは何年後でしょうか?例えばあなたが30代なら,おそらく20~30年後でしょう.

先ほどの図によると,30年前は日本株と米国株はほとんど等しいです.

これを考慮したうえで,30年後に,まだ米国株がもっとも強い株であるという自信が持てるでしょうか?

私は持てません.もしかしたらヨーロッパやアジアの国々が,一時的にでも米国株を上回る可能性は否定できないからです.

一方で,全世界株式,つまり世界中の株式の合計が成長することにはある程度自信が持てます.もちろん,確実ではないですが…

そういう場合には,全世界株式を買っておくとよいでしょう.全世界株式を買ったとしても,先ほどファンドの内約を見たように「米国株の調子の良さ」も取り込むことができます.

反対に,「20年後,30年後も米国株が最強,何ならもっと強くなっている」と思う人は,全米株式に投資すると良いと思います.

ただ,私は投資信託を『低リスクで運用する』ものだと捉えているので,「負けにくい」全世界株式を選びます.とは言いつつも,やはり米国株の強さを認めてはないので,全世界株式よりは少額ですが,全米株式も買うことにしています.

もちろん,最終の投資判断は個人の責任です.この記事を読んで,どちらに投資するのか,どっちにも投資するのか,もしくはどちらも買わないのかを考えてみてください.